2020年3月、松井新吾副師範(荒川道場)が東南アジアのテコンドー強豪国であるカンボジアへ出稽古に行きました。
現地で様々な経験を経た松井新吾副師範に、今回のカンボジア出稽古の感想をお聞きました。

カンボジアに稽古に行こうと思ったきっかけ

全日本チャンピオンであり、海外への出稽古経験もあった姜昇利師範の勧めがきっかけです。
また、カンボジアを選んだ理由は、私が子どもの頃に見た日本での第1回アジア大会のミドル級チャンピオンである リ・チョルナム師賢が指導しているためです。

リ・チョルナム師賢よりテコンドー指導を受ける

カンボジアでのテコンドー稽古の印象

1人1人の稽古生がテコンドーをすることを誇りに思っていて、稽古を一生懸命に行っていたことが一番印象に残っています。

日本とカンボジアのテコンドー稽古の違い

日本の稽古では、基本動作・トゥル(型)に関しては細かく指導をしている気がします。
一方、カンボジアではマッソギ(組手)に関しては細かく、また技のスピードの要求が日本よりも高かったです。

対人練習でもしっかりと当てる、ディフェンスでの立ち位置や、入り込むタイミングなどを細かく指摘して頂きました。

また練習も競技に特化しているような印象がありました。今後の国際大会でのメダルへの周囲から期待値も上がっているように感じられ、結果を出すために力が入っている様子でした。その他には、短時間で一つのテクニックを集中的に行う印象を受けました。

カンボジアの稽古でお世話になった人

今回の出稽古では様々な方にお世話になりましたが、特に リ・チョルナム師賢、Chivorn Pal5段、Buonhing Sothya師範の3名にはお世話になりました。

Chivorn Pal5段(右)

日本の稽古生に伝えたい事

外の世界でも、常に新しいものを求めてテコンドーに対する考え方やテクニックが進化し続けています。
現状維持・今の立ち位置に満足せず、日々、より良いものを追い求め続けることが必要です。

今回のカンボジア稽古で一番学んだこと

カンボジアの師範から
No pain. No gain. 「上手くなりたければ練習しろ」との言葉を頂きました。
当たり前のことですが、1.5時間の稽古を1日2回、毎日行うカンボジアテコンドー生を見て改めてこの当たり前を実感しました。

またテコンドーファミリーのあたたかさをものすごく感じました。
日々の生活で忙しいはずなのに、まる1日私のために観光をしてくれたり、夕飯に招待してくれたり、空港まで朝早くに送迎してくれたりと、かなりのおもてなしを受けました。来日される方がいたら、同じようにおもてなしをしたいと思いました。

これから海外に稽古に行こうと思ってる人へメッセージ

行ってみれば必ず発見があります。
行ける可能性があれば必ず行ったほうがいいです。 テコンドーという共通言語があるので、テコンドーファミリーの皆さんがあたたかく迎え入れてくれます。

アンコールワットを背にヨプチャ・チルギ

朴禎賢師賢コメント

松井副師範、
カンボジア跆拳道遠征お疲れさまでした。

日本から訪ねていった松井副師範を暖かく迎えてくれ、カンボジア跆拳道の稽古に楽しく真剣に参加している写真を拝見しました。

現地カンボジアの跆拳道協会へ連絡をとり稽古が出来るよう便宜を図ってくれた朴禎祐館長、ありがとうございました。

今回、単身で海外テコンドー道場の稽古に参加することは、本人には自信と勇気のいることですし、とても貴重な体験になる事だと思います。
国際的には、両国の友好と親善をより深いものにする機会となりました。
カンボジア跆拳道協会の皆様に心から感謝申し上げます。

幼少の頃から跆拳道を学んだ松井副師範は、2020年2月の第31回全日本大会で東東京チームの一員として、団体トゥルと団体マッソギでW優勝を果たしました。そしてチーム優勝16 連覇達成に貢献した事は、日本跆拳道の歴史に輝く偉業となりました。

全日本大会の疲れもとれぬ3月早々、探究心を持って海外出稽古に挑んだ松井副師範の情熱の行動力に跆拳道家として敬意を表します。

今回、松井副師範が訪れたカンボジアの首都プノンペン本部道場は日本跆拳道と友好的です。
それは、カンボジア跆拳道を指導する李チョルナム師賢八段と私、黄秀一師賢は、二十年来の親しい友人でもあるからです。
特に、1999年アルゼンチン第11回世界選手権では、団体トゥル決勝で競い合ったライバルでしたし、2016年からはITF競技委員として共にアジア大会や世界選手権大会を企画し推進している戦友・同志でもあります。

かつて彼は、90年代朝鮮国家代表として、トゥルとマッソギ、パワー、スペシャルテクニックの全4部門で全世界を制し、高い技術と強靭な精神力で世界にその名を馳せた名選手でした。
ITF跆拳道の頂点を極めた彼は、その後、カンボジアにに渡り指導者として情熱を注ぎ、厳しくも優しい人間性でカンボジア跆拳道を世界的実力国へと導きました。
それによって、世界的な指導者として光り輝きました。

松井副師範、
今回のカンボジアで出会ったいい指導者、一流の選手たち、素朴で純真で一途な稽古生たちの姿をいつまでも忘れず、己の跆拳道修錬と人間形成に、長い人生に生かして下さい。

ありがとう!
カンボジアテコンドーのみなさん!

សូមអរគុណ! អ្នកទាំងអស់គ្នានៅកម្ពុជាតេក្វាន់ដូ!

2008年第4回カザフスタンでのアジア大会
李チョルナン師範と審判を務める。前列、朴師賢隣は現ITF 李ヨンソン総裁
2008年第4回カザフスタンでのアジア大会
李チョルナン師範と審判を務める。
アジアテコンドー連盟会議2019年(北京)
カンボジア跆拳道開拓者である
カンボジア政府 国務長官Keo Remy会長