武道というと男性のイメージが強いですが、テコンドー・ファラン朴武館では女性会員も多く在籍し、テコンドーを通してそれぞれの生活を充実させています。


今回のSTORYではそのような女性会員の中でも指導員として、幼年部の指導を行っている権寧実(コン・ニョンシル)指導員のSTORYをご紹介します。
新しく習い事を始めようと思っていたり、武道に興味がある女性の皆様に少しでも参考になれば幸いです。

現在は戸田道場幼年部指導員として子供たちの指導にあたっている

数ある習い事の中でテコンドーを選んだきっかけ

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早速ですが、権指導員が数ある習い事の中でテコンドーを選んだきっかけを教えてください。
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権寧実指導員
社会人として働き始めてから、先に始めていた同級生から誘われたのがきっかけです。
学生時代は運動部に所属したことが無く、運動音痴の自分がうまく動けるかどうか不安はありましたが、友人からは軽く運動するつもりで大丈夫と言われて入会に至りました。
その他にもかっこいい道着を着てみたいという気持ちもありました。 
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なるほど。テコンドーの道着ってカッコよくて着てみたい!って気持ちになりますよね。特に黒帯道着は憧れる人も多いですよね。
青帯の頃の権寧実指導員

色帯時代に印象に残ったこと

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同級生からの紹介で始めたテコンドーですが、色帯の時に印象に残っている事は何ですか?
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権寧実指導員
普段はデスクワークで座りっぱなしなので、入会当初は裸足になって足を高く上げたり柔軟を行うのは大変でしたが、毎週行うことで徐々に体が順応していくようになり体も柔らかくなってきて嬉しかったです。
ミット蹴りはうまく蹴れるとミットからいい音が出て、ストレス解消になりますね!
他には立ち方や蹴り方などが先生のようにうまく決まらず、難しいと思いましたが繰り返し行えばできるようになるという師範の言葉を信じ、何度も鏡を見ながら動作を行いました。
反復練習を繰り返し行うことで段々と形が決まるようになってきて達成感を感じました。
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ミット蹴りはストレス発散になりますよね!
テコンドーの稽古の他に印象に残っていることはありますか?
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権寧実指導員
道場の生徒さんは子供から年配の方までいて、職業も様々でしたが同じテコンドー仲間として一緒に稽古することは、仕事だけしていたら決して接することがないのでとても新鮮でした。
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確かに仕事中心の生活だと、違う年代の人などの新たな出会いは限られてきますよね。
道場という場所でテコンドーという共通点を通じて出会えた仲間はかけがえのない存在だと思います。
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昇級審査で印象に残ってることはありますか?
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権寧実指導員
初めての昇級審査は緊張で頭が真っ白になりましたが、反復練習をしたおかげで体は動いてくれました。 社会人になって久しく試験を受けてなかったので当時はものすごく緊張しましたが今では良い思い出になってます。
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確かに社会人になると試験を受ける機会もあまりないですもんね。
そのような緊張感も普段の生活では味わうことの出来ないテコンドーならではの良さの一つですね。

大会にもよく出場していたんですか?
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権寧実指導員
大会は白帯時代から意識して積極的に出るようにしました。一生懸命練習した成果を確認したかったからです。
なかなか勝ち上がることができず、試合でできなかった点や先生からの講評を受けてコツコツを稽古を続ける日々でした。
試合相手が大学生や20代前半の元気な女子なので、30代から始めた自分より身体的に力やスタミナの差があると感じはしましたが、逆に彼女らより長く社会に揉まれて精神的に強くなっている経験を生かし、試合では大胆に動けるようにしました。
初めて金メダルを取ることができたのが青帯時代の夏の東京都大会トゥルでした。優勝を決めたコートから出たら道場仲間から祝福を受けて嬉しくて涙が出てきました。がんばって続ければ結果はついてくると確信した瞬間でした。

黒帯を取るまで

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充実した色帯時代を過ごした権指導員ですが、黒帯も順調に取ることが出来たのですか?
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権寧実指導員
いえ、順調とは言えませんでした。と言うのも、入会してから黒帯取得までの間に仕事で転職をしたりと自身の生活に大きな変化があったからです。
しかし、生活に変化があった時でも辞めずに続けてこれたのは道場での練習の楽しさと大切な道場仲間がいたからです。
なので短い時間でも何とか時間を作って道場に通うようにしました。
「継続は力なり」ということわざがありますが、続けていくことの大切さをテコンドーを通して非常に強く感じます。
また、一時は離れても道場にはいつでも戻ってこれる雰囲気があったのも続いた理由ですね。
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なるほど。
そのようにコツコツと稽古を重ねて黒帯を取得できた時はどのような気持ちでしたか?
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権寧実指導員
昇段するまでにたくさんの方の支えがあり、特にパートナーをしてくださった奈良岡師範には道場の稽古時間以外でも練習に付き合っていただき、一人ではとうてい昇段まで持っていくことが無理だったと思い感謝でいっぱいです。 
白帯からスタートした道場仲間の中で初めての黒帯だったためみんなに見られる緊張感がとてもありました。
黒帯の道着は色帯道着よりかっこよくて気持ちが引き締まりました。 
昇段したのは1月で数か月後に全日本大会という日本一を決める大きな大会に出場予定をしてたため昇段後はすぐに黒帯のトゥルをたくさん練習しました。

世界大会出場

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権指導員は2016年イタリアで開催された第7回ベテラン世界大会に出場されましたが、その時はどのような経験をされましたか?
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権寧実指導員
ありがたいことに、40歳を過ぎて日本代表として世界大会に出場する機会をいただきました。
しかし、数年前に膝の手術を行っていたので厳しい練習についていけるか?10日間も仕事を休めるのだろうか?という不安もありました。
ただ、このような機会は人生で2度とやってこないと思い、思い切ってチャレンジしました。
代表選考メンバーの仲間と共に数か月間の厳しい強化練習を経てイタリアへ遠征し、個人トゥルで銅メダル、団体戦では金メダルを獲得して日本代表として貢献をすることができました。
この世界大会の経験は年齢を重ねても現役で頑張れるという、私の人生に大きな自信を与えてくれました。

女性から見たテコンドー

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女性から見たテコンドーの魅力は何ですか?
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権寧実指導員
武道ということもあり実際テコンドーをする女性の割合が少ないです。 
しかし、できなかったことができるようになったり目指していた目標に合格(クリア)することで自分に自信を持てるようになります。自信が付くと新しいことにチャレンジする勇気が生まれます。そうして自身をより成長させることができると思うのです。
私自身が実際に体験したからこそ自信をもって言えることなのです。

また、テコンドーでは護身術の稽古やミット蹴りを行うため、自分自身を守ることができますしもし被害に遭いそうになっても負けないという強い気持ちをつけることができます。か弱いと思われた女性が実は強いと見た目とのギャップがあり魅力が倍増しますよ。
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実際に体験された権指導員だからこそ伝えられるメッセージですね。
数あるテコンドー道場の中でも朴武館で学ぶテコンドーの良いところは何ですか?
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権寧実指導員
朴武館は年齢性別を問わず様々な会員が楽しく稽古を行ってます。
道場の雰囲気は一つのファミリーのようにお互いを気にかけ声をかけて日々切磋琢磨しているため取り残されることもなくみんな元気に稽古に励んでいます。
新しく入った方には丁寧な説明があります。指導してくださる先生も多いので安心して練習することができます。
結婚や出産、子育てなど女性には生活が変化する場面が多々あります。
独身時代にテコンドーをしていたが、その後子供と一緒に稽古を再開する方もいらっしゃいます。十数年経ってもいつでも道場の皆さんが温かく迎えてくれますし、サポートも充実してます。
お子さんに習い事をさせたいと考えていらっしゃるお母さんはまず見学・体験をお勧めします。きっとアットホームな雰囲気とお子さんが礼儀を教わるための良い場所になると思います。
朴武館には親子で稽古をしている方がたくさんいるのも特徴です。
なかには3世代(祖母、母、息子)でテコンドーをやっている会員もいます。
子供は親を見ながら成長しますので、親が一生懸命やる姿を見せることができるのは貴重な経験で子がその背中を追って一生懸命やることで、のちに親子の良い思い出になると思います。
現在は戸田道場幼年部指導員として子供たちの指導にあたっている

これからテコンドーを始めようと思う女性に向けて一言

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それでは最後にこれからテコンドーを始めよう思っている女性に向けて一言お願いします。
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権寧実指導員
私がテコンドーを始めたのは30歳で社会人になってからでした。
テコンドーからいただいたものは数多く
仕事が忙しい、子育てが忙しい、色々と忙しくなかなか時間が無いと思いますが、時間を作ろう!と決心するとわずかでも時間は作れます。
その時間を是非ご自身のために投資してみませんか?
新しい挑戦がたくさんの貴重な経験、大切な仲間、大きな自信をあなたに運んでくれるはずです!
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権指導員、ありがとうございました!
朴武館では権指導員のようにテコンドーを通して生活を充実させている、女性会員が多数在籍しています。
こちらの記事を呼んでテコンドーに興味を持たれたらぜひ一度体験にいらしてください。