本稿では足首と腰の怪我の予防をご紹介していきます。

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怪我予防 足首と腰編

ステップワークと捻挫予防

運動をしていれば、ほとんどの方が捻挫を経験されている事と存じます。

サッカーやバスケ、テコンドーでも多くみられるサイドステップの動きは非常に捻挫をしやすい動きです。
試合の前半は問題なかったとしても、特に後半の疲労した状態での発生率が高い傾向にあります。

足部周辺の疲労により、自分が思った通りの動きと僅かなズレが生じてくるのです。

以下、最も発生率が高い内側にぐにゃっとなってしまう捻挫です。
ずっと見ていると不安になります。

小指側(小指球)から着地すると内側にぐにゃっと捻挫しやすくなってしまいます。

親指側(母指球)から着地すると捻挫のリスクは大きく軽減されます。

サイドステップは母指球から着地すると捻挫のリスクが少なく、しかも床を蹴る力が伝わりやすいのです。

反復横跳びのテストをイメージするとわかりやすいかと思います。
テコンドーでは組手(マッソギ)でステップワークを多用します。

その際にはつま先立ちの状態、つまり母指球での接地を続けることになりますので捻挫の予防に大きく繋がります。
以下に代表的なステップワークをご紹介します。

足元にご注目。しっかり母指球で接地しています。

ステップとターン。離地も着地も母指球です。

母指球で効率よく力を伝えられることは怪我の予防だけでなく動きのエコ化にも繋がり、動きのエコ化は疲労を軽減させるため、それ自体も怪我の予防に繋がる良い循環となります。

最小限の力で最大限の効率という事です。
ぜひ、足元の再確認をおススメ致します!

スクワットはどこまでしゃがむべきか

基本的にトレーニングは全可動域で広く行うことが推奨されます。

特に股関節においてはただ軟らかく可動域が広い事だけではなく、その可動域すべてで高い筋力を発揮して初めてその真価が発揮されます。

しかしあくまでそれらは安全第一の上で成り立つもので、特にスクワットにおいては安全に行うための範囲の目安がありますのでご紹介致します。

こちらのせきぐちをご覧ください。

特に普通のスクワットに見えますが、実は非常に怪我のリスクの高い動きが混じっています。
いっしょに細かく見ていきましょう。
正面から見た時の注意点は「すごくわかりやすい膝のケガ予防」をご確認ください。

ここでまず先にご紹介しておきたいのが、腰の丸まりについてです。

どんなに鍛えている方でも、荷物やバーベルなどを持ち上げる際に腰が丸まると椎間板ヘルニアやギックリ腰の危険性が高くなってしまいます。

それに加えて、荷物を持たなくてもすでに上半身という重量物が腰に乗っているわけですので、単純な腰の丸まりやしゃがみすぎただけでも実は結構なリスクがあるのです。

以下、背骨のイメージ図です。
積み木のように重なった背骨の間には、硬いゴムのようなクッションの役割を果たす椎間板(´・ω・`)があります。

この(´・ω・`)が腰の丸まりにより後ろ側にずれてしまうと、先述の椎間板ヘルニアやギックリ腰といった非常に大きな怪我に繋がります。

それを踏まえた上でもう一度スクワット動作を観察してみましょう。
特に腰にご注目ください。

背中はまっすぐですが、大腿が地面と平行より下がったあたりからそれまでしっかりと反れていた腰が丸くなってきています。一瞬止まった後の動作です。
ちなみにこの現象をバットウィンク(Butt Wink)といいます。

バットウィンクの繰り返し。
自重でも十分危険ですがこれでバーベルや重りを持った場合にはさらにリスクが増します。

重量挙げやウェイトリフティングのように、もしどうしてもここまでしゃがみたい場合には必ずトレーニングベルト(腰に巻くトレーニング用のコルセットみたいなもの)を着用しましょう。

余談ですがトレーニングベルトの常用は本来使う筋群への刺激が弱くなってしまうためあまり推奨されません。あくまで目的や状況次第で使い分けることを強くおすすめします。

最初の動画と同じものですが、エラー動作を知った後に見ると具体的に所作の善し悪しが分かるのではないでしょうか。

もちろん、日常生活においても応用が利きます。

ぜひ、ご自身がどこまで安全にしゃがめるかを鏡でチェックしてみてください。
全身鏡を横から見ると非常にわかりやすいのでおススメです。

せきぐち