第22回世界テコンドー選手権大会にITF競技委員として参加した朴禎賢師賢に大会の感想などをお聞きします。

2023第22回ITF世界選手権大会を運営した『ITF競技委員会・審判委員会』の役員たちと
ITF-JAPAN選手団
金メダル🥇11個
銀メダル🥈5個
銅メダル🥉6個
合計22個のメダルを獲得し、国別総合5位に輝いた。
ホンチョン君

初めに今回の世界大会全般を通した感想をお聞かせください

朴禎賢師賢

2019年ブルガリアで開催された第21回世界大会以来、実に4年ぶりの開催となったカザフスタン第22回世界跆拳道大会には、世界60カ国選手860名が集まりました。
大会は予想通り世界の頂点に挑む世界跆拳道愛好家達の熱い熱戦が繰り広げられました。
思想と宗教、人種と国境を越えて技術技量を競い合う中で、お互いの友誼と親善、理解と連帯感が生まれてゆきました。
まさに、跆拳道の持つ底知れない潜在力の大きさを目の当たりで確信する事が出来ました。
跆拳道は地球規模での平和の象徴となる武道であることを感じました。

TF-JAPAN総監督黄秀一師賢7段と。
1990第7回ITF世界跆拳道選手権大会(カナダ)から2023第22回大会(カザフスタン)まで、苦楽を共に選手、審判、役員を歴任し活動した。
ITF-JAPAN選手団五十名を率いた役員たちと。
世界大会十日間、全力で挑み、日本は世界第5位に!
ホンチョン君

今回の世界大会で一番印象に残っていること をお聞かせください

朴禎賢師賢

インドやマダカスカル、モロッコ、グリーンランド、バングラデッシュ、カナダ、アルゼンチン、ペルーなどの跆拳道が成長している様はとても印象深く感じました。
その他、モンゴルやトルクメニスタン、ギリシャ、アルゼンチン、カザフスタンの強豪国に、何と言っても過去の17回大会で連続総合優勝したDPRK朝鮮民主主義人民共和国ジュニア選手とベテラン女子チームの強さに感嘆しました。

競技・審判委員会のミーティング模様
アジアのITF国際審判員達と
ホンチョン君

世界の頂点を目指す時、日本選手たちの課題は何ですか?

朴禎賢師賢

古代中国の孫子兵法には下記の格言があります。
『知彼知己者、百戰不殆。
不知彼而知己、一勝一負。
不知彼不知己、毎戰必殆。』
即ち、
1敵を知り己を知れば百戦危ない事はない。
2敵を知らず己を知れば、一勝一負。
3敵を知らず己を知らなければ、戦う度、必ず負ける。

日本選手が世界で勝つ為には、まず世界の相手を知ること。
1相手の戦い方(戦法)
2相手との間合い
3相手の体力

どんな技を使って来るのかを知らなければ、話になりません。
朝鮮、ロシア、ギリシャなど世界強豪国の戦い方を知り、自分自身の身体に合った技を磨き、完全に身につけていけば、必ず世界の頂点に立つ事が出来ると確信しています。
「世界で優勝する」という高い目標と希望に向かって努力に努力を重ねて頑張って欲しいです。

「自勝者強」
相手と戦う前に、己に克つことです。
「一念岩をも通す」
強い思いで一途にやり通し、事を成就してゆく。
ホンチョン君

出場した日本選手団へ一言お願いします。

朴禎賢師賢

1983年に設立された我々日本国際テコンドー協会(ITF-JAPAN)はITF世界選手権大会に1986年から選手を派遣して参りました。
その間、ジュニア、シニア、ベテランの各カテゴリーで多くの金メダリストを輩出してきました。
今回、日本が11種目において金メダルを獲得したのは、日頃の稽古が正しかったと証明できた、とても大きな大成果であったと思います。
しかし、跆拳道の幅広い競技部門の中で、個人と団体において、トゥル、マッソギ、パワー・テクニック、スペシャル・テクニックの4つの部門で優勝を目指す事のできる跆拳道家はまだ現れていません。
今後、我々日本の跆拳道修錬生が弛まぬ研究と研鑽を重ね、個人と団体競技の全ての部門に出場し、入賞する力をつけ、総合的に跆拳道を錬磨する「真の跆拳道家」が育って欲しいと切に願います。 

1992年荒川道場指導員時代より船水健二師範を指導。
船水師範が初の世界一に輝く。
ホンチョン君

世界大会を目指し稽古している日本のテコンドー稽古生へ一言お願いします。

朴禎賢師賢

韓国の故事に「千里の道も一歩から」という言葉があります。
武道跆拳道を修得するのは、遠く長い道のりですが、目標を高く掲げて諦めずに歩み続ける事で必ず達成に近づきます。
私は、武道の修錬に終わりはなく、人生を賭けて修得するものだと考えています。
皆さん、跆拳道の親しみ方は、人それぞれです。道場に通い、師範や指導員、有段者、稽古仲間達と共に流した汗と涙、真剣に向き合った努力は、必ず自身の力となり、自信になり糧となるという真理を跆拳道の技術と共に学んで欲しいと思います。 

1960年代アメリカの跆拳道開拓者で、テコンドータイムス社長の鄭宇鎮師聖9段と
トルクメニスタン跆拳道の開拓者で会長のアイハン師賢8段と
世界大会に参加した娘達と